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旭川の保護者会 その2


 先日の旭川での保護者会について、地元の「あさひかわ新聞」に掲載されましたので紹介します。

 

「障がいのある子の普通学級進学を考える集い」

 

 障がいがある子の進学について、先輩ママの話を聞く集いが18日、愛育センターで行われた。わかくさ学園父母の会の主催。 

 講師は、札幌の市民団体「どんなに障害が重くても地域の学校へ・連絡会議」から、会長の堀由利枝さんと会員の青野比奈子さんを招いた。

 

 青野さんの中学1年の息子はダウン症で、生まれつき心臓に持病があった。小学校入学時にはまだ歩けず、言葉もほとんど話せなかった。学校側からは養護学校への入学を進められたが、普通校への入学を決断した。

 青野さんは「特別支援校に通えばマンツーマンに近い環境で教育を受けられ、身の回りのことなどは早く出来るようになるかもしれない。でも他の子たちと同じ様に同じ年齢のクラスメイトと関わり、仲間作りの出来る機会が得られる方を選んだ」と選択の理由を語った。

 「いま息子が中学校に上がって改めて感じるのは、障がいのない子たちと一緒に小学校生活を送った体験が大きな財産になっているということ。テストはほとんど零点だが、それよりも子どもの時期にしか出来ないことをさせられて良かったと思っている」と話した。

 

 堀さんの高校三年の娘は、脳性マヒで肢体に不自由がある。小学校入学時、堀さんは「上の子たちと同じ様に育てたい」と普通学校への入学を決意したが、教育相談の結果、不本意にも支援学校への入学通知が届いた。しかし堀さんは、それを教育委員会に返送し、地域の普通校への入学を貫いた。

 堀さんは校長の「慣れるまでしばらくお母さんが付き添って」という言葉を受け、一年間学校で付き添った。新年度、替わった校長に「もう慣れたので付き添わなくて良いですよね」と伝えると、「付き添うことが学校に通う条件になっており、認められない」と断られ、結局ボランティアの力も借りて六年間付き添った。

 また中学校進学では、入学時に十五人の教師と向き合い「なぜ手厚い支援が受けられる特別校ではなくここなのか」と強い調子で詰め寄られたという。在学中も様々な問題が起こったが、先生方の障がいへの理解が進み、「三年間担任だった先生が一番大きく変わった思う」と振り返る。

 堀さんは「一旦、特別支援教育を受け始めてしまうと、途中から普通教育に帰るのは非常に難しい。就学前の教育相談は受けず、そのまま普通校に入学したら良い。様子をみて駄目だったら支援学級に移っても遅くない。」とアドバイスした。

 

 集いには、わかくさ学園(未就学の肢体不自由児の通園施設)、みどり学園(未就学の知的障がい児の通園施設)に通う子どもたちの父母ら約五十人が参加した。堀さんは「子どもより先に死んでしまうであろう親に出来るのは、社会をより良く変えて、残してやることです」と集まった親たちを励ましていた。

                     (2013、11、26  あさひかわ新聞)

 

                                    青野 比奈子