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全道教研に参加して


  11月1日~3日、室蘭市で第63次合同教育研究集会が開催され、私は「しょうがい児の教育」の分科会に一般傍聴として参加してきました。

 この分科会では毎年、インクルーシブ教育に向けた取り組みについて討議されます。今回のレポート発表は14本で、すべて先生でした。

 

 さて今年6月に障害者差別解消法が制定されましたが、その中で差別の禁止を具体化したものとして「差別的取り扱い」と「合理的配慮の不提供」があげられています。

 合理的配の定義ですが

   「私たちの社会は障がいのない人が利用しやすいようにできていま

    す。社会的障壁があるため様々な施設・設備、サービスを障がい

    者は利用できません。そのようなときに、障がい者が利用できる

    ように、施設・設備やサービスを提供する側が変更または調整す

    ることを合理的配慮といいます。」となっています。

 

 そして教育に求められる合理的配慮は、授業や課外活動の教育活動に完全に参加するために教育方法や内容を変更したり、調整したりすることです。具体的には点字・拡大教科書の提供、介助者の配置、段差の解消、評価基準の変更・・などなどいろいろあげられますが、混同してはいけないのは「合理的配慮」と「個別の支援」は違うということです。

 合理的配慮は障がいのある子が、障がいのない子と同じスタートラインに立つために保障されなければならないことです。つまりそれは「まわりが何とかすること」であり、それに対して個別の支援は「障がいのある子を何とかする」というのが私自身のとらえかたです。

 

 話が長くなりましたが、どちらかというと今回のレポートは個別の支援についての取り組みや成果についての内容が多かったような気がしました。

 討議の中で「障がいのある子どもを差別のない社会(人)が導いていってくれればいいが今、そのような環境は整っていない。残念ながら差別のある社会である。そんなところに障がいのある子どもを送り出すことは残酷ではないのか。」という意見がありました。確かに普通学級ではいろいろなことが起こります。でも私たちが行動して差別のない社会を目指していかなければならないのです。待っていても何も始まりません。黙っていても環境は変わりません。

 私はそのために「まず分けないこと、一緒にいること」が第一歩ではないかと思います。そして一緒にいるということは「~ができたら、~ができるようになったら」という条件つきのものであってはいけないのです。最初から無条件に誰にでも与えられるべきものなのではないかと思います。

 今回残念ながら分科会で保護者の参加があまりいませんでした。そんな中、帯広のKさんの発言が印象的でした。Kさんは保護者ですがご自身のお子さんには障がいはありません。「障がいの有無で子どもを分けるとその親同士(障がいのある子の親、障がいの無い子の親)も分けられてしまうし、理解し合えないという現実がある。また障がいの無い子が障がいのある子と一緒に過ごすことは大切なこと。むしろ一緒に過ごさないことのほうが欠落である。」とい発言はKさんの立場でなければ感じることのできない貴重な意見だと思いました。そして「差別解消法もでき、社会は新しくなる。学校は理想を語る場ではないのか。先生たちはたいへんかと思うが実践していってほしい。そしてその実践を発信していってほしい。」というKさんの発言は参加していた先生方の励みになった事は間違いないでしょう。

 

 

 私は毎年全道教研に参加して今回で5回目になります。毎回ここで感じたことをパワーに変えて日常の生活に持ち帰っているつもりです。

 さて次は1月の全国教研です。以前もお知らせしましたが、会員のかたでこの全国教研に参加希望のかたは会で一部旅費を負担します。日程は1月23日(木)~26日(日)、場所はまだ未定(本州)です。

 航空券、宿泊等をこちら(札幌教職員組合)で手配する場合は11月29日(金)しめきりなので、それまでに青野までご連絡下さい。(日数がなくてごめんなさい!)

 

 くわしいことの問い合わせ先も青野までです。

よろしくお願いします。