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新出生前診断


ご覧になったかたもいらっしゃると思いますが昨日の北海道新聞生活面のいずみへの投稿です。

新出生前診断については4月に検査が開始されたとき、新聞やテレビで報道されていました。その後何度か新聞には記事になっていましたが4月にくらべるとかなり小さいものでした。

この問題は検査が開始されたからそれで終わりではなく、みんなが常に関心をもっていてもらいたい問題だと私は思っています。

なので今この時期にあえて投稿してみました。

 

「新出生前診断」

 4月から始まった新出生前診断。開始3ヶ月で約1500人が受診し、陽性の29人のうち2人が中絶を選んだというニュースが報道され、3月まで息子が仲良しだったIくんのことを思い出した。

 ダウン症の息子は地域の小学校の普通学級に6年間通いこの春卒業した。小学校ではすてきな友だちに恵まれ、Iくんもそのひとりだった。そのIくんがある日、テレビで出生前診断のニュースを見ていて怒って泣いていたと、後日Iくんのお母さんから聞いた。息子のことを思い出してのことだといい、Iくんの優しさに感動した出来事だった。

 新出生前診断は、高齢妊娠の増加で検査を希望する人が多いとか、遺伝子カウンセリングが必要だとかいろんなことが言われている。でもIくんにとってそんなことは関係なく、この検査は私の息子、つまりIくんの友だちの生死を左右するかもしれなかったものなのである。

 ダウン症の子を育てるのは大変なこともあるけれど、喜びや感動もいっぱいある。育てて経験してみないと分からないことはたくさんあるのに、それを知らないまま産む前に決めなければならないこの検査に私は反対だ。

 今、Iくんは引っ越して会うことはできないが、ニュースを見てまた息子のことを思い出してくれているだろうか。みんながIくんのような気持ちでいてくれたら、そうすれば検査は必要ない。そんな社会が来ればいいのにと願っている私である。

 

                                   青野 比奈子