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公立特別支援学校配置計画案に係る説明会に参加して・2


前に北海道教育委員会(道教委)主催の「公立特別支援学校配置計画案の係る説明会(道央圏・札幌)」に参加したことを報告しましたが、その後、道北圏(旭川)にも参加し、道教委や参加者の意見を聞いてきました。

そして第2回目の説明会は、第1回目の説明会で出された意見等に対する道教委の回答ということでもちろん参加してきました。

私は旭川から帰ってきたあと、その第2回目に向けて道教委への質問をまとめ、あらかじめファックスで送りました。第2回目の説明会で配布された資料に記載されていた道教委の考え方は以下の通りです。

 

(質問1)

特別支援教育により特別支援学級が増え、在籍児童数も増えたが、その結果高校が足りなくなっているのではないか。先日、特別支援学級の増加は北海道に限ったことではないとの回答だったが、他の地域がどうこうというのではなく、この高等支援学校の間口が足りなくなっているという問題は特別支援学級の増加と関係があるのではないか。

 

(道教委の回答)

知的障害のある児童・生徒が全国的に増加傾向にあるため、小・中学校段階での特別支援学級在籍者や高等学校入学段階での高等支援学校出願数が増加していると認識しております。

 

(それに対する私の考え)

知的障害のある児童・生徒が増加したのではなく、選別の機会が増えたということではないだろうか。以前は普通学級で過ごしていたような子どもが、ちょっと違うところがあると特別支援学級を選ばされてしまう。そんな傾向になっているのではないかと思う。

 

 

(質問2)

そのような状況で今間口を増やしてもまたすぐ足りなくなってしまうのではないか。特別支援学級在籍の子どもの増加を減らさない限り、この間口の問題は解決しないのではないか。

 

(道教委の回答)

小・中学校における就学先については、市町村教育委員会が保護者・本人の意向を踏まえて決定していることから、小・中学校の特別支援学級の在籍者数を減らすのは困難です。道教委では、今後不足すると推計される間口を確保するため、公立特別支援学校配置計画において高等支援学校の翌々年度の見通しを示し、間口に不足が生じないように計画的に受入体制を整備しております。

 

(それに対する私の考え)

確かに特別支援学級を希望する保護者もいるが、それは普通学級での受け入れが十分ではないためにそこを選ばざるを得ないという保護者も多いのではないかと思う。

障がいのある子も普通学級で過ごすことに対する支援、配慮、そして周りの意識が必要ではないだろうか。

 

 

(質問3)

先日も保護者から「便利なところに学校をつくってほしい」という要望があったが、結局そのようなところはすぐいっぱいになり、そこからあぶれた子は遠くの学校に行かなければならない。1回目の道央圏の説明会でも、息子さんが第1希望の学校に落ちて違う学校に行ったけれど適応できなくて今学校に通えていないと切実に訴えていたが、そのような事例はたくさんあると聞いている。

結局、高等支援学校でも点数のとれる子から入学させる制度がそうさせているのではないか。知的障害の子は点数がとれないことが障害であるのに、それを高校に入るための手段にされてしまっていること、それも障害のある子しか入れない学校でそのようなことが行われていることは違うのではないか。この入試のシステムについて変えることはできないのか。

 

(道教委の回答)

現在、道教委では、特別支援学校高等部の在り方検討会議を設置し、入選の仕組みも含め、高等部の教育内容などの在り方について昨年度から検討してきています。いただいたご意見を十分に踏まえ検討を進め、10月には中間まとめをし、12月には最終報告を行う予定です。

 

(それに対する私の考え)

昨年度から検討しているとなっているが、このシステムになぜ今まで疑問を持たなかったのか不思議です。

障害のある子の中で繰り広げられている受験戦争を早くなくすべきだと思います。

 

 

(質問4)

少子化により普通高校は統廃合や募集停止などが進んでいる。それなら新たに高等支援学校を作るのではなく、障害のある子も普通高校への入学を考えていくべきではないか。先日、「道外では障害のある子も普通高校に入学するための取り組みをしている地域がある」と私が発言したところ、それは知っているがそれぞれいろいろな問題がありなかなか進んでいないはずだ、という回答だった。しかし、各地域での問題点がわかっているのであればそこをどう解決するかを考え、どうしたらできるかという方向で考えていただくことはできないのだろうか。

障害のある子の親は決して高等支援学校を望んでいるのではない。ただ、今のシステムでは他に行くところがないのだ。子どもが通いやすい地域の普通高校でわが子を受け入れてくれて、子どもに合った支援をうけることができればそちらのほうがいい。障害のある子や親にもっと選択肢を与えるべきではないか。

 

(道教委の回答)

知的障害のある生徒の場合、現行の学校教育法施行規則(文科省令)では、高等学校では、小中学校と異なり、特別支援学級での指導のための「特別の教育課程」を編成できるとしていないことから、特別支援学級を設置するのは困難な状況です。

道教委では、高等学校で特別な教育課程の編成が可能となるよう国に要望するとともに、国の委託事業で、今年度から3年間、高等学校において通級による指導を行うモデル事業を上士幌高校で実施することとしております。また、支援が必要な生徒に対応するため特別支援教育支援員を配置するなど、高等学校における教育上特別な支援を必要とする生徒に対する指導や支援に引き続き取り組んでまいります。

 

(それに対する私の考え)

特別支援学級ではなく高校も普通学級でともに学ぶことを目指していきたい。障害のある子とない子が一緒に過ごしていると小学校の時、中学校の時、とその時代で関わりかたが違ってくる。高校だけ関わりがなくてよいなんてことはないと思う。高校時代もともに過ごすことは必要ではないだろうか。

 

 

(質問5)

今年1月に日本は「国連障害者権利条約」を批准し、教育に関しても条約は障害があってもなくても同じ場でともに学ぶインクルーシブ教育を行うこととしているのはご存じかと思う。小中学校では地域の学校で障害がある子もない子も一緒に学ぶことができても高校になった途端、完全に学校を分けられてしまうのが現状だが、この条約をはじめ最近の障害者をめぐる法整備により、道教委の方向性は何か変わってくるのか。

 

(道教委の回答)

道教委としては、条約を踏まえた国の法整備等の動向を踏まえ、適切に対応してまいります。

 

 

この第2回目の説明会で、ある保護者から「小中学校の普通学級の先生がもっと障害のある子どもを受け入れてくれるようにしてほしい。」という意見がありました。それに対して道教委は「現在、特別支援の知識を習得するための先生方の研修を行っている。専門性の底上げを図るよう努力しているところだが、先生の人数も多くなかなかおいついていない。」という回答でした。

しかし、私はそれは違うと思います。

いくら知識があっても大切なのは先生がその子を普通学級で受け入れるという気持ちではないでしょうか。専門性がないから受け入れられないということではないと思います。

むしろその子と付き合ってみて初めて必要なものが見えてくるのであって、あらかじめ用意された知識はそんなに大切ではないような気がします。子どもの障害と向き合うのではなく、その子自身と向き合ってほしいのです。

「あなたは当たり前に普通学級にいていい子なんだよ」・・そんな気持ちを持っている先生こそが必要だと思っている親は、決して私だけではないはずです。

 

(青野 比奈子)