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就学相談について考える・・


 

 

ずいぶん前のことになってしまいましたが、9月1日に「障害のある子の就学相談会」を行いました。チラシを見て初めて参加して下さったかたが数名、それぞれの現状や小学校に対する思いや悩みなどを聞かせていただくことができました。

その中でやはり私が気になったのは「就学相談」についてです。この会のリーフレットにも載せていますが、就学相談は「任意」です。でも子どもに障害があると周りからまず就学相談に行くことを勧められたり、行かなければならないものだと思わされていないでしょうか。たかが相談なのだから受けてみてもいいのではないか、と思うかもしれませんが、そこで行われていることは果たして相談なのでしょうか、それとも説得なのでしょうか・・

普通学級や特別支援学級(学校)の情報を等しく伝え保護者や子どもの思いに寄り添うのが本来の就学相談であり、それを望んで相談に来る人もいるはずです。しかし実際に行われているのは「特別支援学級(学校)に入学するための就学相談」のような気がしてなりません。

 

参考までに・・・

「障害児が学校へ入るとき」(発行・千書房)より

 

Q 教育委員会の「就学相談」を受けるように言われました。「就学相談」を受けるとどんなことがありますか。受けなくてもいいのですか。

 

A 「就学相談」に申し込むと、相談活動が始まります。保護者や子どもが何回か呼び出しを受けます。1回ですむ場合もありますが、話がもつれると何度も呼び出しを受けることがあります。

子どもが呼ばれるのは子どもを「観察」するためです。「就学相談員」といわれる人たちが、子どもを遊ばせたり簡単なテストをしたり、話しかけたりして子どもの様子をチェックし、それを観察します。

保護者とは「面接」をします。相談員はどこかの校長、専門家と言われる人、医者、教育委員会の担当者、障害児教育にかかわっている教員などで、一人から数名いる場合もあります。就学先の希望を聞いたり、子どもの様子を聞いたりします。初めは穏やかそうでも、親との考えが違うと急に強圧的になったりします。

普通学級を希望していると言うと、「そんなのは親のエゴだ」「先生が大変じゃないか」「他の子に迷惑がかかる」「その子にあった教育がある」などと、さまざまな言い方で親の考えを変えさせようとします。相手の多くは、子どもの障害の種類や程度を見るいわば振り分けの「専門家」。何もしらない親は反論できないまま言いなりになってしまいがちです。子どもの観察結果が出ると。それをもとに子どもがいかに問題があるかを強調して、ますます親を追い込むこともあります。

「観察」や「面接」の結果は「就学指導委員会」へ送られます。ここには親は出席できません。そこでその子についての「判定会議」がもたれ、親の意思とは全く関係ない形で「特別支援学校適」「特別支援学級適」などの判定が出ます。

このように「就学相談」は「相談」とありますが、「相談」というよりは、就学先を子どもや保護者の意思とは関係なく決めるためのものです。ここで「相談」を申し込むことは「私はどこに入学してよいかわからないので、就学先の決定は教育委員会にまかせます」という意味をもちます。

ですから普通学校への入学がはっきりしていたら「相談」する必要はありませんので就学相談は受けなくてよいのです。

保育園、幼稚園、あるいは入学予定の学校などから「就学相談をうけるように」と強く勧められても「もう入学先は決めましたから相談する必要はありません」とはっきりと断ることが大切です。

教育委員会の窓口に行っての「相談」は構わないのですが「就学相談票」を書いて提出すると「就学相談」を申し込んだことになりますのでご注意ください。